胃癌の分類は様々なものがありますが、最も良く知られているのは癌進行の程度による早期胃癌と、進行胃癌の分類です。ご質問の趣旨はこのような進行度の違いではなく、同じような大きさの胃癌でも性質の異なるものがあるのではないか?ということだと思います。実際、胃癌を顕微鏡的に観察いたしますと、細胞の形、組織的な構造によって、通常見られるものだけでも5種類ほどに分類されます。それぞれに特徴はあるのですが、さらに、これらを分化型胃癌と未分化型胃癌の2つに大きく分けることが、よく行われます。分化型胃癌はお年寄りに多い癌で、周りを押し広げるように固まりを作って大きくなっていきます。癌細胞が血液にのって運ばれ、肝臓への転移が多くみられます。未分化型胃癌は若い女性にもみられる癌で、周りに水がしみ込むように、はっきりとした境界を持たず、大きくなっていきます。リンパ節への転移が多く、このタイプの最も進行したものがスキルスと呼ばれ恐れられています。それぞれ、治療法、予後などがこの組織型によって変わる場合があります。
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